GRAVITY EQUAL FORCE ー TRICODING : Armin Strom

TRICODING : Armin Strom
GRAVITY EQUAL FORCE

革新と対称美の再考

くろのぴーす Chrono Peace

 スケルトン腕時計にはふた通りある。既存のものを肉抜きするか、このように中身を見せるために一から作るか。一見すると上下対称にデザインされただけのように見えるが、機能が違う部品を対称に収めるのは困難だ。さらにゼンマイの中にトルクを一定化させる新機構を忍ばせているが、シンプルさゆえにトラブルは少ないはずだ。
 複雑機構をシンプルに再考して、実用化にまで行き着く。そのブランドポリシーを具現化したこの腕時計は、その対称美だけに留まらず、人の手による仕上げも怠っていない。よって本来単調に見えがちな文字盤が、非常に爽やかな印象を与える。このように機構、対称、スケルトンの三極を妥協しないブランドは…

マルテーゼクロスという合理的な解決

広田雅将 Masayuki Hirota

 機械式時計の問題に、主ゼンマイのトルクが安定しないという点がある。それを解決しようと試みたのが本作だ。正直、主ゼンマイのトルク安定という課題は、よほどの時計好きはもちろん、時計関係者でも理解しにくいものだ。しかし、機械式時計の歴史を知るほど、このモデルの意義は理解できるだろう。
 主ゼンマイのトルクを安定させる手法はいろいろある。これは、マルテーゼクロスという古典的な機構を組み込んだもの。手巻き時計では見られるが、自動巻き時計ではおそらく初。理論上パワーリザーブはかなり短くなるが、約3日間もの駆動時間と両立させたのは見事である。
 トルクを安定させた機械式時計というのは、時計玄人が求める方向性のひとつである。そういった時計の多くは…

続きはクロノセオリーマガジン本誌でご覧ください。

この記事について話し合うオン会はこちらから。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です